後の名作を思わせる『お艶殺し』

女は名家の一人娘、お艶。
男は奉公人、新助。
二人はある夜駆け落ちし、江戸を転々し、
新助だけでなく、関わる男たちがお艶の魅力にハマる。

この時点で『春琴抄』『痴人の愛』を思わせる谷崎文学の鉄板設定で、
久しぶりに楽しめた。

江戸っ子らしいべらんめぇ口調が雰囲気を醸し出し、
位の差を乗り越えようとする二人の純愛を描くと思いきや、
どんどんやばい展開に進む。

優男の新助。男勝りのお艶。
昼ドラもビックリの展開が続くけど、
二人の落ちていく運命は、あれ悲しいという思いで終わらせるのではなく、
美しい物語で終わっている。