永遠のテーマを投げかける『玩具修理者』

生命とは何か。時間とは何か。精神とは何か。
科学では未だに説明できていないテーマを表題の『玩具修理者』、
『酔歩する男』で語られている。

『玩具修理者』は描写がとにかくグロい。
チェーンソーで八つ裂きにするような西洋的なホラーと、
心の内から感じる日本的なホラーを混ぜたような感じ。
ただ気持ち悪い、で終わらせるのではなく、
そもそも生命とは何か、生物と無生物の境界線は何かを
考えさせられた。

『酔歩する男』はタイムトラベルし続ける男の、数奇な話。
パラレルワールドとか過去や未来へ行く物語は読んだことあるけど、
ここまでそもそも時間とは何かと考えることはなかった。

時間は連続であり、一方にしか進まず、
未来に行ける可能性はあるかもしれないが、
過去に行くことはできない。
何故なら過去へ行けたら現在の事象が変化するから。

でも本当にそうなのだろうか。
物理的には時間を行き来できなくても、
精神だけ移動できるかもしれない。
じゃあ精神とは何だろうか。
と、哲学的な意義を問われ、良い意味で「気持ち悪く」なった。

2作品とも、境界線を特に誰かに聞くわけではなく、
自分でもたいして考えるわけでもない所に焦点を当てている。

日常生活で気にも留めない「当たり前」を当たり前ではない感覚にさせ、
さらにそこをゴリゴリえぐられる、そんな気分になりました。