人、社会を哲学する入門書『ドゥルーズ—群れと結晶』

これは僕の勝手な解釈だけど、ギリシャ哲学は道徳について、
近代哲学は神について論じていることが多い。

ギリシャ哲学は人としてどう生きるべきかを考えさせられるけど、
どこが現実離れしているような気がするし、
近代哲学は神が存在することを前提にしているので、
これもいまいちピンとこない所がある。

現代哲学はなぜか興味をもたなかったけど、
本書は現代思想、ドゥルーズの哲学の入門書として最適だと思う。

リゾーム的思考、反復、身体、顔など、
ドゥルーズだけでなく、他の哲学者の思想も交えて紹介してくれた。

「反復は発見されなくてはならぬ新しい範疇である」
というキルケゴールの言葉から始まる反復についての記述は、
なかなか読み応えがあった。

また、顔の発生についても興味深かった。
確かに顔は、人間のなかでも特殊な部位だ。
誰かを見るとき最初に見るのは当然「顔」だし、
その人の性格や人となりも「顔」を見て予想される。

後半のリトルネオ・アイオーン・結晶あたりは、
僕にはまだ早かったか、ちょっと難しかった。

哲学書は、基本的にどれも難しい。
たぶん的外れな解釈もしていると思う。
ではなぜ面白く感じるのは、
普段気にしていないものや、当たり前すぎて気づかない現象について、
あれやこれやと様々な角度から考察するところだと思う。

そのうちドゥルーズの代表作である『千のプラトー』に挑戦してみたい。