創作の本質を考える『現代詩人探偵』

趣味で詩を書いていますというと、
ちょっと敬遠されがち。

そんな社会的に微妙な立ち位置である詩を愛し、
詩を書いて生活したい人たちの物語。
SNSで知り合った詩人の卵たちは、10年後再会する約束をしていたけど、
半数が自殺しており、主人公の「探偵」がその謎を追うミステリーです。

最近ではtwitterで発表している詩を読むのが好きで、
少ない文字数で人を感動させたり、考えさせられることができる人が、
とても羨ましく感じます。

詩に限らず、創作活動をすること自体、なかなか神経を擦り減らす作業です。
詩によって死んでしまう彼らと主人公の気持ちには胸を打たれました。

また、ある人の詩が他の詩人に触発され、別の人の作品となるところは、
「詩は誰のものか」
という創作活動自体の問いにもつながります。
デザイン、イラスト、キャッチコピー、写真、映像など、
おおよそのクリエイティブな創作は、必ず先人の影響を受けるわけで、
じゃあオリジナルは誰のものか。
もちろんオリジナルを制作した人のものだけど、
長い年月が経つといろんな人の作品の影響を受けた作品が生み出され、
どこまでがオリジナルか、その境界線が薄れるわけで、
本編とずれてしまうけど、創作活動そのものについて、考えさせられる物語でした。

文章は句読点がとても多く、正直読みづらかったです。
でもそこに主人公の葛藤を描写しているようで、そう思うと上手い書き方だなと思います。

著者は初のミステリーのようで、あとがきにも書き上げることにかなり苦労したそうです。
著者自身も命を削って物書きをしている、そんな気がしてなりませんでした。