論理的な幸せをお裾分け『詩羽のいる街』

どこにでもある街に住む人たちを少し幸せにして生活する詩羽。
ちょっと強引で押し付けがましいところがあるけど、
ほどよい距離もとってくれる。

地域のちょっとした需要と供給を上手く繋げて、
お金も部屋も持たず生活する彼女。

その小さな幸せが積み重なって、最後は大きな幸せになります。
このまま自分もどこかに連れて行かれている気分で、
一気に読んでしまいました。

特に第3話に出てくる、ひねくれたおっさんの話が好きでした。
歳も近いからかな。

ただ詩羽経由で著者の主張が見られるので、好みが分かれるかなと思いました。
『アイの物語』でもそうでしたが、僕の心の片隅で「みんなこう言っているけどどうなん?」
といった少しの疑問や、こんな気持ちわかるなあといった、
言葉にできなかった気持ちをさらっと書いてくれる所が好きです。

論理的な考えで人を幸せにする詩羽。
ぐいぐい引っ張ってくる子なので好き嫌いが分かれそうですが、
仕方なくついて行けば別に悪いことはないと思います。

最近やさぐれたなあと感じたら、
読み返すといい気分になれると思います。