ここ数年のデザインの潮流もわかる『絵ときデザイン史』

歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる! 画期的なデザイン史の本!

と銘打ってるだけに、たしかにデザインの歴史をわかりやすく、
簡潔に教えてくれます。

にしても簡潔すぎはしないだろうか。
時系列で1項目につき見開き1ページで説明してくれるのはありがたいけど、
イラストに費やす紙面があるなら写真を載せるべきだと思います。
値段を手頃にするためにカラーがほとんどないのは理解できますが、
本の装丁にこだわりすぎた感があります。

他のデザイン史と比べて唯一良かったのは、
戦後や2000年以降のデザインの流れも解説してくれている所です。

デザイン史に限らず、戦後についての歴史まで解説してくれる本は少ないので、
昔から現在まで、地続きになっているんだなと実感できることができます。

特にヒプノシス、メンフィス、トマト、ドローグといったデザイン集団、
UI/UXデザイン、ソーシャルデザイン、コミュニティデザインについては勉強になりました。

にしても最近は社会が複雑多様化したためか、
なにかと「デザイン」という言葉がすぐでてきます。
90年代にエコデザインという言葉が出てから現在に至るまで、
デザインする対象が「環境」から「人」へシフトしているのだなと感じました。

環境問題も大事だけど、結局は人間関係にみんな困っているわけで、
それを改善するのが「なんたらデザイン」なのです。

これからも「なんたらデザイン」が流行語のように、
出ては消えていくんだろうなと思うと、うんざりしそうですが、
僕としては地に足がついたデザインに関わりたいなと思いました。