知識をどう活かすか『センスは知識からはじまる』

デザイン関係の仕事をしている人にはわかると思いますが、
この仕事にはアイデア出しという過程が最初にあり、
どのようなコンセプトをもとにデザインなりコピーを決めます。
デザイナーにとってはココが一番面白いはずなのに、とても苦手でした。
上司にも感づかれて、お前はもう少し柔らかく考えろみたいなこと言われ、
やっぱり自分にはこの仕事が向いていないのではないか、と今でも思っております。

本書は業界では有名な水野学氏による、「センスの磨き方」です。
もともと水野氏の作品は個人的に好きでしたが、センスを通して仕事への姿勢や取り組み方、
現在の教育についてまで言及されていて、非常に参考になりました。

で、肝心のセンスの磨き方ですが、著者はタイトル通り知識を蓄積させることだと言う。
センスというと生まれ持っての才能のような気がしますが、
やはり様々な知識を掛け合わせで、新しいものを生み出す所はとても勉強になりました。

著者も本屋が好きなようですが、僕と違う所は、自分のあまり興味ない分野にも手を伸ばす所。
このような好奇心旺盛な心構えにより、著者は結果として高いセンスを身につけたのだなと思いました。

僕も著者に見習い、今まで仕事関連、宇宙やSFくらいしか読まなかったのですが、
今は文学から哲学、宗教、経済、数学などジャンルに縛られない読書を心がけました。
するとなんとなくですが、世の中を俯瞰して見ることができ、
まだまだ自分の知らない世界を知りたい気持ちや好奇心が枯れなくなりました。

もちろんすぐにはセンスは身につかない。
著者のようなデザインができるわけでもない。
しかし自分には才能が無いなあ、で終わらせるのではなく、
努力次第でいかようにもなることがわかり、自分自身の励みになりました。

思えば若い頃は大学や専門学校も卒業したにもかかわらず知識不足もあり、
机の前でうんうん考えたり、知らないことはググればOKだと思ってた所は浅はかでした。

子供と触れ合うことや年上の人とのコミニュケーションでも、センスは磨かれる。
このへんは著者が元々コミュ力が高いからかもしれませんが、
自分が苦手な部分でもあるので、自身の短所も改める動機にはなりそうです。