今でも色褪せない『広告のデザイン (Pen BOOKS) 』

一応自分もデザインに関わる仕事をしている身ですが、
正直、広告はうざい。
テレビを観ていたら肝心な所でCMが入るし、雑誌や新聞を読めば広告ばかり。
街に出るとでかい看板だらけだし、ポストを見るといらないチラシが突っ込んである。

だけど商品やサービスに興味がなくても、ユニーク溢れる広告があり、
クスッと笑わせたり、考えさせられるものもある。

本書は戦後の広告、主に海外の広告の作品を紹介しています。
特にCBS、フォルクスワーゲン、ハーマンミラー、ガイギーの広告は今でも色褪せないし、
アイデアも斬新なものばかりです。
アートディレクターという職業が認知され始めたのもこの時期だし、
広告の原点に立ち返りたいときは、本書をお勧めします。

デザインというとパッと見、キレイなデザインを良しとされがちですが、
その裏にあるコンセプトや消費者に訴えたいことを、
ピンポイントに伝えている広告が良い広告だと改めて思いました。

ただ、現在は当時よりも大量生産、大量消費の世の中が過度に進み、
制作側にもとにかく効率化が求められています。
なので、小手先のデザインではなく、きちんとしたアイデアも効率よく生み出せるのが、
今後のアートディレクター、デザイナー、コピーライターに必要になるわけで、
そういう意味ではクリエイティブなお仕事で生きて行くには大変な世の中だと思うのです。

はたしてこれが良い広告ができる環境なのかというと難しい所ですが、
世の中の流れは変えられない。

しかし人は何かを訴えたいし、話をしたい。
そして誰かの作ったものでちょっと笑いたいし、考えさせられたい。
このへんの感情をどこで発散し、または受け止めるか。
僕はこれからは広告だけではなく、徐々にアートの方へシフトするのかなと思います。

制作に時間をかけることが難しくなった今、
今一度、広告について考えさせられました。