マルチな才能を発揮した『クリムト 金色の交響曲』

19世紀末から20世紀初頭、激動の時代を生きたクリムト。
最初は代表作「接吻」しか知らなかったですが、
その独特な世界観は、一歩間違えたら悪趣味に捉えられそうですが、
人を惹きつける絵の裏には、クリムトの様々な表現方法を取り入れる貪欲さがあることを知りました。

天賦の才を持ちながらも、西はビザンティン美術、
東はジャポニズムまでを参考にする姿は、平凡な僕でも見習う所です。

彼が産まれたウイーンは、ハプスブルク家が支配するオーストリア・ハンガリー帝国。
円環状に所狭しと建ち並ぶ街並みは、諸国の侵攻を防ぐ要塞のような作りになっており、
それが閉鎖的な文化を築きました。
日本でいう京都のような歴史ある都市でした。

もとは壁の装飾画からキャリアをスタートしますが、
実は風景画や空間デザインなど、総合演出も手がけており、
今日でいうアートディレクターとしても活躍しています。

総合演出したストクレー邸は今もありますが、一般公開されてないようです。

代々彫金師の家系なのか、金を使った豪華で妖艶な作品は、
女性が社会進出する時期と重なり、どこか谷崎潤一郎的な「女性礼賛」を感じさせます。
いつか生で拝みたいところです。

個人的には「金魚」「人生は戦いなり」そして未完の「花嫁」が特にお気に入りです。


  • 金魚

  • 人生は戦いなり

 


  • 花嫁


ウィトゲンシュタインとも親交があり、
姉の肖像画を描いてもらったのは以前読んだ本で知りましたが、
「マルガレーテ」という作品だとわかり、またひとつ自分の知識の点が繋がりました。

Gustav_Klimt_055
マルガレーテ

参考画像:wikipediasalvastyle.com文化遺産オンライン