男はいくつになっても厨二病だ!『ファイト・クラブ 』

おれを力いっぱい殴ってくれ

これが主人公「ぼく」とタイラーの出会いだ。
ぼくは慢性不眠症で、たいくつな日々を過ごしている。仕事もつまらない、とにかく毎日がつまらない。ぼくの妄想なのかわからないつぎはぎだらけのシーンが錯綜する。
夢遊病のような文体が続き、読んでいる僕も頭が混乱した。

タイラーはどうしようもない奴だ。
ウェイターでどうしようもない悪戯をしたり、僕だったら絶対買いたくない石鹸を作って売りさばいている。
おまけに爆薬の製造法にはやけに詳しい。
ただのDQNかと思うと的を得たことを言うのでなんか魅力的なキャラに映る。

殴り、殴られ、生きている実感をぼくは感じる。

そういえば最後に殴られたのっていつだろうと思い出した。
中学生のときに兄と喧嘩して以来なので、かれこれ20年くらい殴られていない。

当然大人になると殴りあうことなんて無くなる。
傷害罪として警察のお世話になる。

なら殴っても罪にならない社会だったらどうだろう。
それでも僕は殴らないと思う。
他の大人もそうだと思う。よほどムカつく上司がいなければ。

痛みを感じる方法はいくらでもあるが、人に殴られるという所がミソなんだと思う。
このつまらない社会を恨み人を拒絶したい感情がある一方、人と関わりたい。
ぼくは生きているんだと、人にわかってもらいたい。

暴力的なシーンが多いので、どうしてもそっちに目がいってしまうけど、生きることについて真剣に考えさせられる内容でした。

映画版はデビット・フィンチャー監督でスリリングでクールな映画になってます。
映画が面白いと思った人は原作もおすすめです。