僕は本が嫌いだった その2

高校生に体験した読書感想を無理やり書かす授業を経て、大学生の頃の僕の頭には本すら思い浮かぶことはなかった。
大学の教科書と少量の漫画だけである。

大学には大きな図書館があり、高価な専門書から本屋に積まれている本も無料で貸し出しされていたが、図書館を利用しようなんて思いつくはずもなく、今思い返すとかなりもったいないことをしたと思っている。

大学に進学することが当たり前だと思っていた僕は、大学の設備を利用することなどそもそも考えていなかったので、高い学費を払ってくれた親には申し訳なく思っている。

大学では物理を専攻していて、やたら高い教科書を買わされたりしたものだが、卒業と同時になんの躊躇もなく捨ててしまった。
別に今持ってても役には立たないけど、今だったらパラパラとめくる時があったかもしれない。
あーなんで捨てたんだろ。
全く、後悔の連続である。

社会人になってから、いろいろあって、とあるデザイン会社に就職した。
そこでWebデザイナーとして働きはじめた。
グラフィックデザイナー、コピーライター、アートディレクターとクリエイティブに対して熱心な上司ばかりで、徹夜続きの仕事が多かったけど、とても有意義だった。

その中に後輩の面倒見の良いひとりのコピーライターの先輩がいた。
飲み会などにも誘ってくれて、その先輩のお宅にお邪魔することが多くなった。

まず最初に驚いたのは、この先輩の家にある本の多さである。
コピーライティングなど仕事関係の本もあれば、おしゃれなデザイン関係、サブカルっぽい本など様々なジャンルの本がうずたかく、僕より高い本棚に所狭しと陳列されているのである。

やはりコピーライターになるような人は読書好きなのかなと思ってジロジロ見てたら、「読みたい本があったら貸すよー」と先輩が声かけてくれた。

新米の僕が初めて本の面白さを感じた瞬間である。

続きはまた今度。