もっと笑えた『化物語(下)』

「趣味で書きました」というには完成度が高すぎる。
下巻は第四話「なでこスネイク」、第五話「つばさキャット」を収録しています。

結局主人公の阿良々木が春休みに吸血鬼に襲われた件、羽川翼がゴールデンウィーク中に起こした事件の詳細がわからなかった。
まあそれよりも上巻に続いてしょーもない掛け合いが面白く、ページ数の割に早く読み終えました。
言葉、漢字、マニアック情報でひねりを加えたやり取りは、「読む」というより「見る」といったほうが良いかも。

また、阿良々木と戦場ヶ原の念願の初デートがありますが、まさかの親父同伴という展開も笑ってしまいました。
彼は八九寺と話すのが楽しいみたいだけれど、見ている側としては戦場ヶ原に虐められ・・・いや掛け合いが一番面白い。

戦場ヶ原の家庭環境をみると、こんなゆがんだ性格になるのも無理ないし、時折見せる弱い所がいわゆる「萌え」なんだろうけれど、僕としてはドSキャラを貫いて欲しかった。

全体としてはどのキャラも個性が強く、読了後はこれで終わりなんだなあと思うと少し寂しい気もしたけれど、<物語>シリーズとして『傷物語』『偽物語』・・・として続いているようで、『化物語』で深く語られなかった部分(特に吸血鬼)のことなどがわかるそうです。
というかこのシリーズ多すぎ(笑)ファーストシーズン、セカンドシーズンって『24』かよ!
こっちが追いかけるのが大変!さすが速筆作家です。

ちなみにNaverまとめにもこんな記事がありました。
作家・西尾維新の速筆伝説

あとがきの趣味と仕事の違いについての言及には考えさせられました。
生活するためには仕事は必須だし、豊かな人生を送るには趣味は不可欠。
ならば人生の多くの時間を仕事に割くのなら、仕事が趣味のほうが良いのでは、と著者は言う。

この辺りはいつでもどこでも議論されるところですが、僕の著者の意見には賛成。
やはり仕事は楽しいほうが良い。
ただ「趣味を仕事にするな」という人の意見ももっともだし、お客さんがいる以上、仕事を100%自分の趣味で通すのは難しい。
「仕事≠趣味」だとしんどい。「仕事≒趣味」が丁度良い生き方なのかなと思いました。