恐怖と後味の悪さを味わう『江戸川乱歩傑作選 』

初めての江戸川乱歩の作品を読みましたが、「アタリ」でした。
初期を代表する短編「二銭銅貨」「芋虫」「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」が収録されています。

D坂、心理実験、屋根裏の散歩者では、あの名探偵、明智小五郎が出てきて、密室殺人や難事件を次々と解決していきます。
このへんは日本の推理小説を確立させた作品だけあって、どうやって犯人を暴くか、コナンみたいなノリで読むことができました。

しかし恐怖小説と呼ぶにふさわしい作品もあります。

「芋虫」
手足と声を失う重症を負って戦場から帰ってきた夫の世話をする妻の話。
江戸川乱歩の傑作集の単行本が新たに発売になりましたが、オビに「自分でも読んでて吐き気がする」みたいなこと書いてましたが、まさにそれ。
本当に後味悪いですが、江戸川小説の真骨頂を味合わされました。

「人間椅子」
とある椅子職人が大きい椅子を作り、その中に潜んで、座った人間の感触を感じ悦に浸る・・・
その職人はこの快楽を本当に嬉しそうに語りかけます。
まじ変態。おまわりさんこっちです状態です。
でもオチにはあっと言わされました。

「鏡地獄」
鏡に取り憑かれた友人の話。
最初は学校の理科の実験で使った鏡に興味を持ち始め、年を重ねるごとに鏡に対する執着が強くなり、終いには自宅に実験室を作り閉じ籠り、鏡を使った実験に没頭してしまいます。
そしてある日ついに鏡を使ってとんでもないものを作ります。
こちらはキ○ガイの領域に入ってます。

いやどれもすごい。怖いけど続きが気になって一気読みしました。
夏にオススメの一冊です。