もっと評価されていいハードSF『BLAME!』

時代も場所もわからない、ネットワークに管理された超巨大都市。
かつては高い技術で繁栄をきわめた人類だが、厄災によりネットワークを基盤とする仮想現実空間のネットスフィアが暴走し、正規にアクセスできなくなった人間を違法居住者と判断し、駆除系と呼ばれるロボットを出現させ排除しする。
人々は暴走したネットが無作為に構築する都市構造の中でひっそりと暮らしている。
主人公の霧亥(キリイ)は永遠と続く階層都市を旅する。正規にネットスフィアにアクセスできる「ネット端末遺伝子」を探して。武器は全てを貫く小型の銃「重力子放射線射出装置」。

著者の弐瓶勉氏はもともと建築関係の仕事をしていたらしく、果てしなく続く都市の「スケール感」を描くのがとても上手いです。
ダークで重いタッチが、カオスな世界観を表現していて良いです。
また全体的にセリフが少なく説明不足な点がありますが、そこがまた良い具合に想像力を高めます。
一言も喋らないで終わる回もあります(笑)この徹底ぶり。

物語では何千年、もしくは何万年と時が過ぎているようで、霧亥自身も変化(進化?)しています。
最初は食料を必要とし、睡眠をとるシーンもありましたが、途中からは無くなり、衣装にも変化があります。
階層によって世界観が違い、それぞれに住む少数の人類はコミニュティ単位で暮らしていて、独自の進化をしている所からも時の経過を物語っています。

内容は簡単なようで奥が深く、何度も読み返さないと理解できない所もありますが、
10巻と丁度良い長さで完結しているし、繰り返し読むことで自分もある種巨大都市を彷徨っている気分を味わえます。
厄災を起こしたの原因の珪素生物も全体的にいいキャラだしています。キモくて。

一部がアニメ化されてネットで配信されていたり、ショートムービーが制作されましたが、どれも中途半端で終わっています。
特にWEBで配信されていた頃はADSLもさぼど普及していない時代だったので、当時ダイヤル回線を利用していた僕はひどくはがゆく感じていたことを思い出します。
さすがハードSF。時代の先取り感ハンパないなという感じでした。
いつか映像化したBLAME!の世界を観たいですが、難しいのかな。
最近新装版が出版されたようで、大判になってより世界観が楽しめるようになったそうです。