「考える」をどこまで考えられるか『論理哲学論考』

思考の限界に線を引く。そして思考に限界を引くには、その限界の両側を思考できねばならない。(序より抜粋)

哲学に終止符を打とうとしたウィトゲンシュタインの生前に発表された唯一の本。
ウィーンの大富豪の息子に生れながら、20代で本書を書き上げ、財産を放棄し研究者、兵士、小学校教諭、建築家などジョブチェンジを繰り返す所を見ると、中々の破天荒ぶりが分かります。
また、非常に神経質で怒りっぽい性格だったようです。
当時のウィトゲンシュタインはまだ無名の哲学者で、なんだかよくわからない箇条書きを羅列した本を売りたいと思う出版社が見つからず、彼の才能をいち早く見抜き、師でもあるラッセルの紹介文があればいいという出版が現れ、ようやく世に出されたようで。
その恩師ともいえるラッセルに対しても「ラッセルはおれの本を理解していない」と堂々と言う所が彼のすごいところでもあります。

内容は7章からなり、それぞれ箇条書きの短文で構成されています。
論理学、数学を使った説明が多く、解説と行き来しながら読むやり方で少しずつ読みました。

まず「事実」とは何か、「事態」とは何か定義し、事実を要素に分解して組み替えします。
また事実を描いたもの、事実を写像したものを「像」と定義し、またそこから隙間を空けず思考(命題)について議論していく…といった所から始まります。何度か読み返したけど、これも間違いかも。

難しい。じゃあ読まなければいいのに。でも知りたい、思考や言語の限界の先を理解したい。そんな気持ちにさせられます。

最後は有名な決め台詞「七 語りえぬものについては、沈黙せねばならない」で締めくくりです。

解説を抜かせば150ページ程のボリュームだけども、思考の深淵に触れるにはまだ読み込まないと。