tails

tails

基本がぬけていると、ある程度の所で進まなくなる。
なので前から気になっていたが膨大な量に圧倒されていたnature of codeを読み進めることにした。
まだ途中だけど、なるほど奥が深い。
基本的な所は省略しているので、中級者向けの内容だなと思う。

参考:nature of code
http://natureofcode.com/

複雑系入門

世の中は複雑「系」である『複雑系入門―知のフロンティアへの冒険 』

明日の天気は分からないし、植物がどう成長するか分からない。
蝶々が羽ばたけは、ハリケーンが起きるかもしれない。

自然や社会、人体など、世の中は予測不能なカオスであり、この動的な現象を科学するのが複雑系である。

本書は複雑系の入門書という位置づけで、様々な複雑系を実例を通して紹介してくれる。

またそもそも複雑系とはなんぞやと、初学者が誤解しないように丁寧に説明してある。

特にフラクタル、セル・オートマトン、人工知能は興味あったので面白かった。

お艶殺し

後の名作を思わせる『お艶殺し』

女は名家の一人娘、お艶。
男は奉公人、新助。
二人はある夜駆け落ちし、江戸を転々し、
新助だけでなく、関わる男たちがお艶の魅力にハマる。

この時点で『春琴抄』『痴人の愛』を思わせる谷崎文学の鉄板設定で、
久しぶりに楽しめた。

江戸っ子らしいべらんめぇ口調が雰囲気を醸し出し、
位の差を乗り越えようとする二人の純愛を描くと思いきや、
どんどんやばい展開に進む。

優男の新助。男勝りのお艶。
昼ドラもビックリの展開が続くけど、
二人の落ちていく運命は、あれ悲しいという思いで終わらせるのではなく、
美しい物語で終わっている。

ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?

人間性を鍛える道場だった『ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか? 』

ハーバードビジネススクールは自分にとって無縁な所で、今後も無関係だろう。
しかしエリートたちの華やかな姿の裏にある、悩みや努力が垣間見えた。

内容はタイトルと少し違う気がしたけど、
自信に溢れた(ように見せている)トップのビジネスマンも不安でいっぱいで、実は心を許せる友人を欲しているようだ。
そう思うと、スーツでビシッと決めた意識高い系エリートも、悩みは自分と同じ。

実際に会う、話しをよく聞く、人の繋がりを大切にする、そして自分の夢を語る。
基本的なことだけどいかに難しく、大事なことを勉強できた。

神のゴミ箱

ゴミから繋がる物語『神のゴミ箱』

このアパートの住人のゴミは、どうやら自分のゴミ箱に転送されているらしい。

ごく普通のアパートの、普通じゃない住人の話。
主人公、神のゴミ箱に転送されるごみは痛々しいポエムだったり女子中学生の離婚した父の居場所だったり。
そこから始まる人間関係が楽しみで読み進めた。

しかしポエムの主で二階の比内と、二つ隣の木鳥と神の三角関係がメインになってしまい、ちょっと残念だった。
あとがきに続編があるようなことが書かれていたので、掘り下げられていなかった他の住人にもスポットがあたるのかな。

それにしても著者のうだるような夏、ダラダラとした心理描写が好きで、今回も期待通り楽しめた。

いやこれ続編書いて欲しい。

玩具修理者

永遠のテーマを投げかける『玩具修理者』

生命とは何か。時間とは何か。精神とは何か。
科学では未だに説明できていないテーマを表題の『玩具修理者』、
『酔歩する男』で語られている。

『玩具修理者』は描写がとにかくグロい。
チェーンソーで八つ裂きにするような西洋的なホラーと、
心の内から感じる日本的なホラーを混ぜたような感じ。
ただ気持ち悪い、で終わらせるのではなく、
そもそも生命とは何か、生物と無生物の境界線は何かを
考えさせられた。

『酔歩する男』はタイムトラベルし続ける男の、数奇な話。
パラレルワールドとか過去や未来へ行く物語は読んだことあるけど、
ここまでそもそも時間とは何かと考えることはなかった。

時間は連続であり、一方にしか進まず、
未来に行ける可能性はあるかもしれないが、
過去に行くことはできない。
何故なら過去へ行けたら現在の事象が変化するから。

でも本当にそうなのだろうか。
物理的には時間を行き来できなくても、
精神だけ移動できるかもしれない。
じゃあ精神とは何だろうか。
と、哲学的な意義を問われ、良い意味で「気持ち悪く」なった。

2作品とも、境界線を特に誰かに聞くわけではなく、
自分でもたいして考えるわけでもない所に焦点を当てている。

日常生活で気にも留めない「当たり前」を当たり前ではない感覚にさせ、
さらにそこをゴリゴリえぐられる、そんな気分になりました。